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PLCラダー作成の自動化_2-1_デバイスマップ作成準備

ラダー図作成を自動化するシリーズ、第2回目は「デバイスマップ作成準備」です。ここから、Excel VBAを活用して具体的な業務効率化の方法を紹介していきます。

バイスマップ作成は不可欠。でも面倒くさい。

ラダー図作成の準備段階で、まず必要なのがデバイスマップの作成です。これをきちんと作っておくことで設計がスムーズになり、後の手戻りも減らせます。ただし、正直に言えば、この作業はかなり面倒くさい。

なぜデバイスマップ作成が面倒なのか?

  1. アドレス仕様が複雑

    • キーエンスのPLCでは、デバイスの種類によってアドレスの表記が異なります。

      • "R""MR"などの入出力リレー:チャネル+アドレス構成0~1999のチャネル + 0~15のアドレス構成
        R0~R15
        R100~R115R200~R215といった具合

      • "B"リンクリレー:16進数B0~BFB10~B1FB20~B2Fといった具合

      • "T"タイマー:10進数T0~T9T10~T19T20~T29といった具合。

    • このため、アドレスを見ただけでは、どのデバイスがどれに対応しているのか一目で分かりません
      例えば、出力アドレスR5000~R5215の32点に対して、下記のデバイスを32点ずつ割り当てると考えます。 インターロックリレー:"MR"
       タイマデバイス:"T" 手動操作デバイス"B"すると、下図のように割り当てられます。

  1. 人的ミスが起こりやすい

    • 手作業で記入していると、表記ミスや記入漏れが発生しがちです。それが原因で回路が正しく動作しない場合、調査と修正にさらに時間を取られてしまいます。

Excel VBAを活用してラクをする

ここで登場するのがExcel VBAです。これを活用することで、デバイスマップとデバイスコメントの作成を自動化し、面倒な作業を効率化できます。

自動化の手順

以下の手順で作業を進めます。

  1. Excelファイルを用意する

  2. 各出力に対して割り当てるデバイスとデバイス種類を決定する

  3. バイスコメント命名のルールを決める

  4. Excel VBAマクロを作成する

今回は、この中の1と2について詳しく説明します。


1. Excelファイルを用意する

最初に、新規のExcelファイルを作成します。このファイルが、デバイス情報を整理するための基盤となります。

ファイル構成例

バイス種類 バイス 用途 初期アドレス
出力 ランプ 動作中ランプ点灯 Y0010
内部リレー インターロック 安全確保 MR0010

このように列を用意し、後で自動化に使えるようにします。


2. 各出力に対して割り当てるデバイスとデバイス種類を決定する

次に行うのは、各出力に関連付けるデバイスと、その種類を決定する作業です。これがデバイスマップの基礎となります。

具体例

例えば、以下のようにデバイスを関連付けます。

  • インターロックリレー

    • 内部リレー("MR"デバイス)を使用。

    • 安全性を確保するため、特定条件下で動作をロック。

  • 手動操作用スイッチ

    • "B"デバイスを使用。

    • 手動操作を可能にするスイッチとして設定。

Excelへの記載例

バイス種類 バイス 用途 初期アドレス
出力 ランプ 動作中ランプ点灯 Y0010
内部リレー インターロック 安全確保 MR0010
手動操作 操作SW 手動操作用 B0010

このように、各デバイスに用途や種類を割り当て、整理します。


次回の予告

次回は、「デバイスコメント命名のルールを決める」と「Excel VBAマクロを作成する」について説明します。これによって、デバイス情報を基に自動でコメントを生成し、マップを完成させる仕組みを構築していきます。